2016.03.27up
 

昨年は、どうしても外せないイベントと重なり、聴きに来れず、「夢笛管隊」の名付け親としては面目を失ってしまいました。

今年はどうしても聴きたいと思い、二階席で聴かせてもらったのですが、藤沢市民会館大ホールの造りが、藤沢西高校旧校舎の視聴覚室同様、昇っても昇ってもなかなか辿り着かない構造になっているのを忘れていて、途中で「オレはこのまま永遠に階段を昇り続けるのか...」と切ない気持ちになったことを付け加えておきます。

さて、肝心の演奏です。ものすごく陳腐な表現で申し訳ないのですが、藤沢西高校吹奏楽部(夢笛管隊)定期演奏会をひとことでまとめるなら、「夢笛管隊らしさが色濃く出たコンサート」だったのだと感じます。

重苦しさを排除しようという意図もあったのでしょうが、演奏する側が楽しんでいる(本当はそう見えるだけかもしれませんが)のが窺えて、こちらも楽しい気持ちになれました。

もちろん、そう演出できるだけの技量や余裕があってこその楽しさであり、そこは丸山透先生をはじめとする指導陣の日頃からの鍛錬の賜物なのでしょう。

さすが、東関東大会へ進出するだけのことはありますね。

   
左から丸山透先生、アレクセイ・トカレフさん、今込治さん、前生徒会長でトランペットパートだった植田祐輔くん
   
   
 
では、印象に残った曲について、簡単ではありますが、書かせてもらいますね。
 

=プチレポート=
 

第一部
ロシアンファンタジー 三浦秀秋編曲


一昨年も聴いたという記憶がありますが、プログラムを読んで、この編曲がトカちゃん(アレクセイ・トカレフさん)のために作られたことは初めて知りました。
トカちゃんのトランペットを聴くようになって10年以上は経っているでしょうが、ハイトーンの張り詰めた音はもちろんのこと、柔らかく優しい音色は以前にも増して柔らかく優しいと感じました。
管理人のお気に入りは「一週間」と「カリンカ」。特に「カリンカ」での場面転換が印象的で、こうした曲のバッキングをしっかりやることで、多くのことを学べるだろうなぁと、ちょっと羨ましく思いました。

新しき人へ 河邊一彦

底流に管楽器の安定と打楽器の強弱感があり、背筋が痺れました。
アニメ的躍動感も散りばめられ、全体のダイナミクスとバランスも素晴らしく、感動的でした。
この曲により、無笛管隊テイストがひじょうにうまく引き出されて、コンクールでも好結果を残しましたが、今回の演奏はさらにそれが昇華された印象でした。

第二部
運動会コレクション〜吹走楽の為の〜 辻 峰拓編曲


この曲は今回の演奏会に於けるメインディッシュではないのでしょうが、軽やかで、音楽的にも、また、全員体操服に着替えて演奏するなど、視覚的にもとても楽しめました。
どういうプロセスでこの曲がチョイスされたのかはわかりませんが、全体を眺めた時に、この曲が持つ意味はかなり大きなものがあったと思います。


 

サムスカンクファンク R.ブレッカー/天野正道編曲

ジャジーで変拍子を含む、結構チャレンジャー的選曲だったかと。
この曲を安定して演奏出来る、というのが現在の夢笛管隊の力量を示しているのだと思いました。
こうした曲を知り、演奏する中で、新たな音楽理論とかも学べただろうなぁと思うと、また羨ましいです...

アンコール
ディスコキッド 東海林修


曲の途中を一部アレンジして(たぶん)、「サザエさん」などの馴染みのある曲に乗せて、パート別紹介を兼ねていたところはとても可愛らしくてよかった。
「運動会コレクション」と並び、気持ちを軽やかにさせてくれました。
指揮台を使わず、最初から最後まで指揮をされた丸山透ちゃんにも喝采ですね。
 

 
新年度も素晴らしい活動を期待しています!
プログラム
 
第一部
◇フラッシングウィンズ ヴァン=デル=ロースト
◇ロシアンファンタジー 三浦秀秋編曲
◇新しき人へ 河邊一彦

第二部
◇運動会コレクション〜吹走楽の為の〜 辻 峰拓編曲
◇サムスカンクファンク R.ブレッカー/天野正道編曲
◇パイレーツオブカリビアン K.バデルト/T.リケッツ
◇デューク・エリントン メドレー 中川賢二編曲

アンコール
◇ディスコキッド 東海林修