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HWE 本日も熱く
 
 アンサンブル [(フランス語) ensemble]
(1)合奏。合唱。重奏。重唱。
(2)演奏団体。
(3)合奏や演技の調和の具合。
(4)組み合わせて着ることを意図して作られた一そろいの服。スカートとブラウス、ワンピースとジャケットなど。
(5)長着と羽織を同じ布地で仕立てた和服。
<以上、「大辞林」による>

 たぶん、(4)と(5) は今回のイベントとは関係ないものと思われる。

 簡単に言うと、フルバンドではなく、楽器の特性を活かした少人数の組み合わせで、美しく音楽を奏でる、ということであろうか。
(簡単すぎたらゴメンナサイ)

 コントラバスやサックスだけで5人集まって演奏する、なんてことはかなり珍しい(と思う)。フルバンドの大音量の中では掻き消されるようなミスも人数の少なさゆえ、思い切り目立つ。これは演奏者にとってはプレッシャーでもあるが、逆に「俺様の音を聴いてくれ」というミュージシャン冥利に尽きるチャンスであるとも言える。

 HWEでは一昨年は24組、昨年は27組が出場した。今年は部員数が増えているにも拘わらず、出場チームが19組に減った。

 顧問の丸山透先生曰く「本気度が上がったため、掛け持ち出演が少なくなったから」だそうである。7月に行われた吹奏楽コンクールでも、A編成[50名まで]・B編成[35名まで]の両方で湘南大会を勝ち上がり(という言い方が正しいかどうかは別にして)県大会へ出場した力がフロックではなく、部員間のライバル意識も旺盛になってきた、というところであろうか。

 11月9日(日)に行われる第4回湘南アンサンブルコンテスト(各校3組までしか出られない)の校内予選を兼ねていることもあり、部員たちの意気込みも相当なものであった。

 何せ、1・2年生だけで80名近い部員が在籍している(今回3年生は出場していない)。校内予選とはいえ、専門家の審査員を招いての本格的なもの。午後5時半開演で終演は8時にならんとしていた。

 「部活.ネット」が潜入し、取材させてもらったので、ここに部員たちのナマの声・経過・結果についてお届けします。

「出番」を待つ、の図
 

 

 
 今回は北陵高校内の視聴覚室にて実施されたので、出番を待つ場所が廊下である。今まで隠していて申し訳なかったが、私(管理人)は“元”売れないミュージシャンだったので、「次が自分の出番」という時の緊張感は十分に理解できる。
  緊張をほぐそうとして首をコキコキ回したり、円陣を組んだり、逆におどけてみせることで、その重圧をはね返そうとするわけだ。しかし、この緊張感がなければ面白くないのかもしれないですね。

人の演奏を見たりする、の図
 
 「自分たちの演奏を力一杯やるだけ」と頭の中ではわかりつつも、ライバル(?)たちの演奏は気になるもの。皆、真剣そのものに聴いている。

ついに演奏する、の図
 
 詳細な資料を頂いたので、出場全19チームを紹介します。
 @チーム名(一般人には理解不能なものもたくさんあります) A編成 B演奏曲目 C作曲者
※出場順での紹介です

 
@SACCHONS☆
A打楽器四重奏
Bトップ・カピ
Cフィンク
@Team七転八倒一起き
Aクラリネット五重奏
Bクラリネットの為の奇想曲
Cグランドマン

 
@九亭のアリア
A金管八重奏
B宮廷のアリア
Cレスピーキ
@馬(ウーマン)
Aフルート四重奏
Bクラシコ・ポスト
Cネッケ

 
@SAM
Aサクソフォン三重奏
Bお菓子の踊りといわれる黒人の踊り
C ドビュッシー
@おいなりさん
Aトロンボーン六重奏
Bワシントンポスト
Cスーザ

 
@生川修平と愉快な仲間たち
Aユーフォニウム・テューバ四重奏
B行進曲『雷神』
Cスーザ
@t.A.R.u.
A木管五重奏
Bピアノ五重奏曲「鱒」第W楽章
Cシューベルト

 
@妄想MERON族
Aフルート四重奏
Bフルートカルテット
Cシャカリアン
@ウマ☆トラ
Aホルン四重奏
Bフランスの組曲よりT
Cリード

 
@ウルトラマンSEVEN
A打楽器七重奏
BMusica Buttuta
Cシフマン
@アボリジニー’03
A金管八重奏
Bアンネン・ポルカ
Cシュトラウス

 
@もくご
A木管五重奏
Bウェディングメドレー
Cヘンデル他
@ContrabasstersW世
Aコントラバス五重奏
Bアデーレの子守歌
Cヴィレ

 
@つちのこ組。
Aサクソフォン五重奏
BアラベスクNo.2
Cドビュッシー
@Above All Very Rich
〜とりわけ金持ちだ〜
Aユーフォニウム・テューバ四重奏
Bフニクリ・フニクラ・ファンタジー
Cデンザ

 
@矢那レンジャー
Aトランペット五重奏
B5本のトランペットのための組曲
Cプレスティ
@ダブリン☆トリビア
Aダブルリード四重奏
BソナタTヘ長調
Cゼレンカ

 
@県立茅ヶ崎北陵高等学校クラリネット八重奏
Aクラリネット八重奏
Bリクディム
Cヴァン・デル・ロースト
   
 ところで、予選を通過したチームはこのネーミングのまま湘南大会にも出場するのだろうか....?

演奏終了 安堵の図
 
  
 ん〜、わかるよその気持ち。お疲れさんです。

インタビューしてみる、の図
 
 演奏を終えた部員たちにちょっとしたインタビューをしてみました。演奏直後だけに解放感からテンションが高い高い。さて、出来具合はどうだったのかな?
 
【生川修平と愉快な仲間たち】より山乃井祥吾くん(1年・左)と生川修平くん(1年)

Q 終わって一言感想を聞かせて下さい。
山之井君:やるだけの事は出来ました。
生川君:100%の演奏が出来ました。

Q 出演前の雰囲気はどうでしたか?
山之井君・生川君:張りつめていました。殺伐とした雰囲気でした!

 

Q 選曲について、教えて下さい。
山之井君・生川君:楽譜屋さんまで足を運んでレベルにあった曲を選びました。あまり考えずに、これでいいかー。という感じで決まりました。
生川君:他の楽譜よりも安かったし・・・。(山之井君:言っちゃった・・・・)

Q オーケストラ(みんなはフルと呼んでいるようです)、アンサンブルで演奏をする際、それぞれ意気込みや気持ちの違いがありますか?
山之井君:みんなでの演奏では、リズムや音程を作るというベースの役割ですが、アンサンブルではメロディーも弾けるので楽しいです。
生川君:アンサンブルでメロディーを弾くのは慣れないから大変だけど、目立てるから楽しいです。
(生川君は目立つのが大好きなようで、文化祭でもソロで弾かせてもらえるように指揮者に頼み、初めは断られてしまいましたが、3日間頼み込んでやっとソロを弾かせてもらったそうです)

Q この校内選考会を一般公開することについて、どう思いますか?
山之井君:北陵ウィンドアンサンブルはこんな事をしているんだと、いろんな方に知ってもらうのは良いことだと思います。
生川君:一般公開してお客さんに聴いてもらうということは、それなりのものを演奏しなければならないので、自分たちの演奏のレベルも上がると思います。それから、目立つためにいろんな方に見てもらいたいです。

Q TEAM名について教えてください。
山之井君:何となく・・・。深い意味はなく・・・。
生川君:自分のいない時に決まっていました。気が付いたら、こうなっていました。


【ウマ☆トラ】より杉森航介くん(2年)

Q 終わって一言感想を聞かせて下さい。
A 緊張して上手く出来ませんでした。

Q 選曲について、教えて下さい。
A 学校にあった楽譜を弾いてみて一番出来が良かったので、決めました。
 

Q オーケストラ(みんなはフルと呼んでいるようです)、アンサンブルで演奏をする際、それぞれ意気込みや気持ちの違いがありますか?
A フルの方が、大勢なので気が楽です・・・。

Q この校内選考会を一般公開することについて、どう思いますか?
A 一般公開することで、より気持ちが引き締まって良いことだと思います。

Q 2つのTEAMで出場していますが、経緯などを教えてください。
A 自分のパートで出場しているのと、あと木管五重奏で人が足りなくてスカウトされました。昨年も木管五重奏で出場していました。


同じく【ウマ☆トラ】より車谷由香さん(1年)と山根恵理子さん(1年)

Q 終わって一言感想を聞かせて下さい。
車谷さん:思った通りには出来ませんでした。
山根さん:頑張りました。緊張していてあまり覚えていません。

Q 出演前の雰囲気はどうでしたか?
車谷さん・山根さん:とっても緊張していました。

 

Q 選曲について、教えて下さい。
車谷さん・山根さん:先輩が曲を持って来てくれて、それをみんなで聴いて、みんなで決めました。

Q オーケストラ(みんなはフルと呼んでいるようです)、アンサンブルで演奏をする際、それぞれ意気込みや気持ちの違いがありますか?
車谷さん・山根さん:アンサンブルでは一人が失敗してしまうと、とても目立ってしまうのでいつも以上に気をつかって演奏をするよう心がけています。

Q この校内選考会を一般公開することについて、どう思いますか?
車谷さん・山根さん:多くの人に演奏を聴いてもらいたいと思うので、良い事だと覆います。

Q TEAM名について教えてください。
車谷さん・山根さん:練習の時に誰かが、「トラウマ」と間違えて「ウマトラ」と言いました。それで、ノリでそのまま「ウマ☆トラ」がチーム名になりました。


【矢那レンジャー】より松本悟くん(2年部長・左)と石田洋平くん(2年)

Q 終わって一言感想を聞かせて下さい。
石田君:楽しかったです。
松本君:緊張しました。

Q チーム編成はどのように決めましたか?
石田君・松本君:やろうって言って集まった人で始めました。
 

Q 選曲について、教えて下さい。
石田君・松本君:一年生の時に、選んでみて難しくて出来なかったので、今回また挑戦してみました。(一年生の時は、みんなそれぞれ、金管六重奏・金管八重奏で出場していました)

Q オーケストラ(みんなはフルと呼んでいるようです)、アンサンブルで演奏をする際、それぞれ意気込みや気持ちの違いがありますか?
石田君:フルでは演奏中に休みがあったりするが、アンサンブルでは休みはない。自分の音に重みを感じます。責任重大です。
松本君:アンサンブルでは、自分たちのパートの中で音楽を作っていくので、一人一人の意見がより反映される感じがします。

Q この校内選考会を一般公開することについて、どう思いますか?
石田君:校内で競い合って、お世話になっている方々に良い演奏を聴いてもらえるのは、良い事だと思います。
松本君:石田君と同意見で、良い事だと思います。

Q TEAM名について教えてください。
石田君・松本君:昨年の先輩が“矢那連合”と名乗っていたので、その“矢那”を受け継いで“矢那レンジャー”となりました。


【もくご/県立茅ヶ崎北陵高等学校クラリネット八重奏】にダブル出演の小林友希さん(2年)

Q 終わって一言感想を聞かせて下さい。

A 思った以上につっかかってしまいました。緊張には勝てないなと思いました。

Q 選曲について、教えて下さい。
A 6つのCDの中から、八重奏を何曲も聴いてその中から選びました。

 

 
Q オーケストラ(みんなはフルと呼んでいるようです)、アンサンブルで演奏をする際、それぞれ意気込みや気持ちの違いがありますか?
A アンサンブルでは、細かい部分が気になります。個人技が重要になってくると思います。

Q この校内選考会を一般公開することについて、どう思いますか?
A 良いことだと思います。

Q 2つのTEAMで出場していますが、経緯などを教えてください。
A 自分のパートで出場しているのと、木管五重奏の方にも、自分で出場したい!と言いました。


顧問・丸山透先生 またしても熱く語る、の図
 

腱鞘炎は治ったんですか?
 
 いつインタビューさせてもらっても“常に熱い”のが、この丸山先生である。

 本日は、現在のHWEの状況や、このコンクール形式の校内予選などについて語って頂いた。

 1つ質問すると、その30倍くらいの答えが返ってくるというエネルギッシュぶりは、HWEと部員たちへの愛の証なのである。(多分...)
◆今年は出場チームが少なくなったそうですが...
 今年の部員は、1年生38名、2年生38名の計76名で、出場団体は19団体です。おととしは24団体、昨年は27団体。部員数は増えているのに、出場団体は減っている。これは明らかに、「みんな、本気だ!」ということです。本気で湘南アンサンブルコンテストへの出場をねらっているという事だと思います。

◆校内予選ということの難しさは?
 1校につき3チームまでというのは決まりなのでしょうがないことです。部内での真剣勝負であり、真剣に音楽に取り組む姿勢が出来ているという事について、良かったと思っています。今年は、「自分たちで聴けるまでに演奏をまとめる力が付いた」と評価しています。

◆今回の部員たちの演奏ぶりはいかがでしたか?
 審査員の先生からは、「曲の選び方はまだ高校生だけれども、演奏はうならせるものがある」という言葉をいただきました。選曲については、生徒達に任せています。自分達がやりたい曲を自分達で選ぶ、責任を持って仕上げる、最終的に人に聴かせる音楽を作っていくのです。


◆現在、丸山先生以外の指導者はどのようになっていますか?
 各パートごとに、嘱託の漆原先生やプロの講師が指導をしてくれています。

◆中学生やその指導者・父母の皆さんにメッセージを
 北陵高校の吹奏楽部に入りたいからと言って、北陵高校に入学してくれる学区外の中学生もいるようです。コンクールで良い成績をおさめているから...という理由ではなくて、「良い演奏をするから入りたい」と思ってくれれば嬉しいです。(今日のアンサンブルの夕べも、演奏場所が例えホールではなく教室内であっても、自分たちの演奏を聴きに来てくれるお客様がいる以上、ここは立派なステージで、恥ずかしい演奏は出来ないんだという意識を、全員が持ってやっています。)中学校の先生や、ご父兄も、あの吹奏楽部なら、あそこに入れれば大丈夫だと思ってもらえたら、嬉しいです。
 

やっぱ結果も知りたいですよね
 
 結果は以下の通りとなりました。厳重なる審査の末、湘南地区大会への出場チームも決定されました。

 出場できる人は、出場が叶わなかった人たちの気持ちも一緒に抱えて、最高の演奏をして下さい。当日も取材に伺えるよう、「部活.ネット」も頑張りますね。

 末筆ですが、いつもHWEの演奏会で感心することがあります。

  私(管理人)をはじめ、スタッフの面々は誰も吹奏楽の演奏を評論できる能力はありませんが、プログラム(印刷物)がいつもきちんと作られている、ということについては十分理解できます。そうした心遣いというのはとても大切であると、我々も見習いたいと思います。

 部員の皆さんも、そういった配慮が背景にあって、演奏会が成立していることをよく知っておいて欲しいと思います。いずれ、あなたがたが指導的立場になった時、今ある、この幸せな状況を思い出してくれることを祈念致します。

【最優秀賞】県立茅ヶ崎北陵高等学校クラリネット八重奏 クラリネット八重奏
【優秀賞】 ウマ☆トラ ホルン四重奏/ウルトラマンSEVEN 打楽器七重奏/もくご 木管五重奏/矢那レンジャー トランペット五重奏/ダブリン☆トリビア オーボエ・ファゴット四重奏
【特別賞】 ContrabasstersW世 コントラバス五重奏

【第4回湘南アンサンブルコンテスト出場チーム】
県立茅ヶ崎北陵高等学校クラリネット八重奏/ウマ☆トラ/ダブリン☆トリビア