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寒川高校 ◇西浜高校 ◇茅ヶ崎高校 ◇鶴嶺高校 ◇北陵高校

 いよいよ7月9日より、195校が参加して、今年も夏の高校野球選手権神奈川県予選が始まります。「部活.ネット」では、一昨年・昨年に続き、茅ヶ崎地区5校を取材し、彼らの野球に懸ける情熱、最後の大会に向けての目標などを、一般の新聞などと違う切り口・視点で見つめたいと思います。

 事前取材は勿論ですが、大会が始まってからも、出来る限り彼らの姿を追って、高校野球、或いは高校に於ける部活動についても考えてゆくつもりですので、よろしくお付き合い下さい。

 尚、今年は「甲子園」というものの存在について、出来るだけ選手・監督・マネージャーに訊いてみるつもりです。いずれ私見を述べさせて頂くこともありましょうが、実際に高校野球をやっている人の気持ちを出来るだけ言葉にして伝えたいと願っています。
 
2005.6.24 管理人

西浜高校 ◇茅ヶ崎高校 ◇鶴嶺高校 ◇北陵高校

◆部員数:27名 ◆マネージャー:3名 ◆監督:村岡信さん ◆部長:伊東正先生
◆キャプテン:山我直人くん ◆現チームの成績:6勝6敗1分
◆これまでの最高成績:ベスト32 ◆昨年の成績:1回戦敗退
◆初戦の日程:7/10(日)横須賀大津高校 9:30〜保土ヶ谷球場

初戦テレビ中継。野球をやれる喜びを
 
 昨秋の地区大会は、けが人が出て出場を断念した寒川高校。何しろ、野球は9名以上選手がいないと、ゲームが成立しないのである。

 しかし、今年は16人の新入部員が練習を盛り上げる。

 取材に伺った日は、期末試験直前でグラウンドは野球部が独占状態であったが、前日の降雨のため、ノックなどのメニューは残念ながらなかった。それでも「野球をやれる喜び」に選手たちは元気いっぱいであった。
 
 組み合わせ抽選の結果、1回戦にTVKの中継が入ることになった。日曜なので、スタンドに応援に行く人も多いだろうが、テレビでも放映されれば、多くの在校生やOBたちも彼らの頑張る姿を見ることが出来る。

 「恥ずかしくない試合をして、初戦を突破したい」という切なる願いが届いてもらいたい。

インタビューその1:キャプテン
 
 キャプテンはセンターでトップバッターの山我直人くん。高い出塁率と俊足で相手のペースを乱す役割だ。

Q:今年のチームの特徴はどういうところですか?
A:ピッチャーの永山を中心に、守り勝つ、という野球ですね。

Q:君は一番打者として、どんなことを心掛けていますか?
A:とにかく相手投手にたくさん球数を投げさせるということです。初球はまず打たないですね。それで結果として、ヒットでもフォアボールでも出塁できるようにしています。
 
Q:キャプテンとして気を遣っているのはどういった点かな?
A:気持ちがバラバラにならないようにしています。チームで戦うので、一人欠けてもダメ。全員で心を一つにして勝ちたいです。

Q:他校に較べると、練習試合の数がやや少ないのが気掛かりですが...
A:そうですね。でも、土日を試合形式にして練習したり、実戦を想定したバッティングなどで補っています。

Q:初戦に向けての抱負を聞かせてくれますか?
A:それぞれの部員が意識を高く持って、何も言わなくてもわかって欲しいと思います。ベンチ入り出来ない人もサポートをすることで参加してもらいたいです。そして、最後まで集中を切らさずに頑張ろう、と。

Q:テレビ中継が入りますが、何か意識するところはありますか?
A:そうですね...。恥ずかしい試合をしない、ということですかね。とにかく初戦突破が目標ですから、それを達成したいです。

Q:では最後に。君が3年間で得たものは何だったでしょうか?
A:「責任感」ですね。漠然とした意識ではそれを得られなかったと思います。現1・2年生にも、しっかりした意識で練習に励んでもらいたいと思います。

Q:ありがとうございました。初戦はテレビで応援させてもらいますね。

インタビューその2:マネージャー
 
 責任マネは2年生の牧山陽香さん。松林中学時代はソフトボール部で、現在寒川高校野球部員として活動している伊藤佳穂さんと一緒に活躍していた。
(ちなみに、取材した日は伊藤さんは風邪でお休みでした)

 現在も時々伊藤さんのキャッチボール相手になっているという彼女にいろいろと聞いてみました。
Q:なぜまたマネージャーに?
A:ソフトボールをやっていて、ルールがわかるということと、必要とされる人間になりたかったというのが理由ですね。

Q:マネージャーのやり甲斐ってどの辺にあるだろう?
A:中学時代までは、人に何かをしてもらうということのありがたみがわからなかったのですが、マネージャーになってみて、部員たちからちょっとしたことでもお礼を言ってもらったりして、人の為に何かをすることが嬉しいと思うようになりました。 それで、もっと皆のために何が出来るか、ということを考えるようになりましたね。

Q:去年は庄司さんという先輩マネがいましたが、見習うべき点として何かありますか?
A:先輩は何事に於いても部員優先という謙虚な姿勢でやっていました。多くを語る人ではなかったのですが、チームが解散する時、皆から感謝の言葉を受けていましたから、そういうところを見習おうと思っています。

Q:気を遣っている点はどこでしょう?
A:せっかくたくさん入部してくれた1年生も練習に参加できるように、手伝えることを常に探して、穴を埋める、というところでしょうか。

Q:君から見て、今年のチームの特徴としてどういうところが挙げられますか?
A:試合慣れしていないこともあって、集中力が持たないところがあって、せっかく追いついたあとでも、粘れなかったのですが、今は相手に流れを持って行かれそうになっても、崩れなくなってきました。あと、キャプテンをはじめ、3年生たちがムードを盛り上げるチームですね。

Q:女子マネージャーがベンチの中で出来ることって何だろうね?
A:雑用をするだけならベンチに入っても、マネージャーじゃなくてもいいと思います。やはり、ミスしてうつむいてしまった選手を盛り上げるとか、声を出すように持っていくとか、精神面で応援することじゃないでしょうか。

Q:「甲子園」って、君にとってはどんな場所だろう?
A:遠い響きがありますね。実際に甲子園に出るチームがどんなに厳しい練習をしているのか、見たこともないわけじゃないですか。そういうのを見ないと実感が湧かないでしょうね。

Q:では最後に、この夏の目標を聞かせて下さい。
A:秋季大会に出られなくて、悔しい思いもしましたから、チームのベストの試合をしてもらいたいです。悔いはどうしても残るとは思いますが、寒高らしい野球、明るく楽しい野球をしたいですね。

Q:ありがとうございました。初戦はテレビで応援しますね。

  
前日の雨のため、残念ながらグラウンド全面を使っての練習はなかった

インタビューその3:エース
 
 昨夏からのエース、3年の永山進吾くんは4番バッターでもある。昨年の取材以来、1年ぶりの再会である。

Q:ちょっと体つきも逞しくなったね?
A:そうっすか?...そうかもしれないですね。

Q:調子はどうなのかな?
A:故障もなく、上り調子ですね。
 
Q:さっきのキャッチボールではホームベースから校舎の上まで投げてたけど、遠投は100メートルくらい?
A:いやぁ、100メートルまではいかないでしょう。100メートル弱ということでお願いします。

Q:今、持ち球は?
A:ストレート、カーブ、スライダー、ナックルです。

Q:ストレートのスピードはどのくらいかな?
A:120後半くらいだと思います。でも、正確にはわからないですね。

Q:ちなみにナックルとかもコントロールは出来るものですか?
A:ええ。制球力には自信があります。コーナー低目をついて、打ち取りたいです。

Q:この夏に懸ける想いを聞かせて下さい。
A:今年はまとまればいいチームだと思うので、一丸となって、一日でも長く皆と一緒に野球がやりたいです。

Q:初戦、テレビ中継が入るけど、意識はする?
A:しないことはないと思いますが、自分が投げ切って、絶対に勝ちたいです。

Q:ありがとうございました。テレビに映ることがプレッシャーではなく、楽しそうな永山くん。是非、投げ切って、勝利をつかんで下さい。

インタビューその4:村岡信監督 「勝って校歌を歌いたい」
 
 「部活.ネット」が野球部特集をやり始めて三度目の夏。ようやく監督の村岡さんとお話する機会に恵まれた。

 村岡さんご自身も寒川野球部出身で、5年前から監督に。しかし、ここ5年間は初戦敗退が続いている。

 そろそろ、「善戦」ではなく、「勝利」という結果が欲しいところである。

Q:今年のチームの特徴や戦い方を教えて頂けますか?
A:エースの永山次第で勝負が決まるところがありますね。打撃の方は、一番の山我が出塁して、パワーのある3・4・5番で返す。オーソドックスではありますが、投げるべき人が投げ、打つべき人が打つ、ということになりますね。

Q:試合数がやや少ない点はどのようにカバーされていますか?
A:とにかく実戦を想定した守備練習をして、日曜はバッティングも実戦を想定してやっています。1年生がたくさん入って、ようやくいろいろと出来るようになってきましたね。

Q:精神面で、何か部員たちに伝えていることはありますか?
A:皆、自覚を持とうということですね。負けていても、粘って諦めず、というチームに成長してきたと思います。

Q:この夏の目標をお聞かせ下さい。
A:この5年間初戦負けが続いているので、まず1勝したいですね。初戦、保土ヶ谷球場でテレビも入りますし、勝って校歌を歌おう、と生徒たちには言っています。私はさらに2回戦も勝つと、3回戦がまた保土ヶ谷なので、2回勝って、保土ヶ谷に戻って来よう、とも言っています。

Q:なるほど。では、その初戦、どういう戦いを目指していますか?
A:できればジャンケンで勝って、後攻を取りたいですね。まず相手を0点に抑えて、こちらが1点取る。これが理想かと思います。

Q:ありがとうございました。是非勝って、校歌を聞かせて下さい。

▼△▼2005年度 茅ヶ崎地区各高校野球部顧問の先生方への共通質問▼△▼
 
回答者:伊東正部長
 
(1)現チームになってからの戦績を教えて下さい。(練習試合含む)
■6勝6敗1分

(2)現チームの力を以下の4項目で自己評価(5段階)して下さい。
◇投手力: 5 ◇守備力: 3 ◇打撃力: 3 ◇機動力: 3

(3)チームとしての特徴・課題を教えて下さい。
■投手の永山を中心に戦うチーム

(4)鍵を握る選手がいれば教えて下さい。特にどういった点で期待しているかも、教えて頂ければ幸いです。
■エースで4番バッターの永山進吾くん

(5)選手権予選での目標を教えて下さい。
 ※「ベスト8」など戦績的なことに加えて、チームとして、是非これだけはやり遂げたいとお考えになっていることでも結構です。
■初戦を突破したい。

(6)「部訓」(またはそれに相当するもの)があれば、教えて下さい。
 ※先生が大切にされている言葉や生徒たちに伝えたいことでも結構です。
■「練習は正直である」「大胆かつ緻密に」

(7)これまで高校野球に携わってきて、最も嬉しかったことは何ですか。
 ※高校野球ゆえの魅力、ということでも結構です。
■私学に勝ったこと、教え子の仲人をすること

(8)他のスポーツにはない、野球の魅力・面白さとは何でしょうか。
■日頃の練習に対する態度が試合に出ること

(9)練習環境等の整った私立高校に対するライバル意識のようなものはありますか。
■強いチームが出来上がった時はあります

(10)先生自身が目標とされている野球人がいらっしゃれば、教えて下さい。特に、その人のどこに惹かれますか。プロ・アマ、国籍、有名・無名は問いません。
■原貢氏
  (編集・注 前読売巨人監督・原辰則氏の父親で、東海大相模高校・東海大元監督)


(11)全国大会はどうしても「甲子園」で行う必要があるとお考えですか。
■ない

(12)高野連の「連帯責任体質」について何かご意見はありますか。
■よいのでは

(13)ベンチ入りできない3年生がいる場合に、どんな言葉を掛けますか。
■今までそういう経験はありません

(14)勉強との両立で配慮されていることはありますか。
■時間的余裕を与えること、集中力を大切に

(15)野球をやっている中学生に対して、何かメッセージをお願いします。
■野球は楽しんでやるものですよ
 
 

寒川高校 ◇茅ヶ崎高校 ◇鶴嶺高校 ◇北陵高校

◆部員数:36名 ◆マネージャー:5名 ◆監督:山崎篤さん ◆部長:堀達也先生
◆キャプテン:齋藤勇介くん ◆現チームの成績:春季大会3回戦
◆これまでの最高成績:ベスト32 ◆昨年の成績:1回戦敗退
◆初戦の日程:7/10(日)麻溝台高校 12:00〜平塚球場

エースに絶対の信頼。こちらからは倒れない!
 
 昨年のトンビに続き、今年はカラス?いずれにせよ、のどかな風景も垣間見える西浜高校グラウンド。

 12年間指揮を執られた黒崎先生が去った今夏、その落とし子とも言えるエース水野投手が大きく成長。彼を中心にどこまで堅く守っていけるか、ということが一つの目標となる。

 新監督である山崎篤さんは、この日仕事の都合でお会いできなかったのだが、西浜高校2期生で、選手たちとの対話を大切にされているそうだ。
 
 1年生女子マネージャーが4名入るという活況の中、ここ3年間初戦敗退の鬱憤を晴らしたいところだ。

インタビューその1:キャプテン
 
 キャプテンは二塁手・齋藤勇介くん。内野の要として、水野くんをはじめとする投手陣の足を引っ張らないことに最大の配慮をしている。

Q:今年のチームの特徴、戦い方といったことを教えて下さい。
A:スタイルとすれば、ピッチャーがしっかりしているので、守りでミスをしない、こちらから勝手に倒れたりしない、ということに尽きます。
 
Q:というと、守備が乱れたりする、ということかな?
A:そうですね。最近、基礎からやり直していますね。ノックでどうこうという前に、まずしっかり取る、というところから、バント処理も含めてです。

Q:まあ、野球というのはミスがつきものだけど、大きな綻びがなければいける、と?
A:この頃はよくなっている実感はありますし、守備に乱れがなければ、ほとんど0点に抑えていますから。

Q:打撃についてはどうですか?
A:走塁についてはいいと思うのですが、繋ぐことをしっかりしたいですね。

Q:チームの目標を聞かせてもらえますか?
A:ベスト8です。このチームで一日でも長く野球を続けたい、という気持ちが強いです。

Q:何かそのためにやっていることはありますか?
A:サッカー部の顧問の先生(小林富夫先生)に教わって、「手を繋いで“勝つ”というイメージ」を作るようにしています。これで緊張をほぐして、リラックスして野球をやるようにしています。

Q:では、まず初戦突破に向けて、抱負をお願いします。
A:自分たちの力を出し切ることです。水野がしっかり投げる。バックはしっかり守る、ということですね。

Q:ありがとうございました。では、初戦を楽しみにしていますね。

インタビューその2:寡黙なエース 「強気で。最終目標はプロです」
 
 昨夏からのエース、水野崇裕くん(3年)はシャイな少年。しかし、ひとたびボールを握ると、上背を利して剛球を投げ込む。

 管理人は、彼がブルペン(というか、グラウンドの端っこに設けられたマウンド)で投げるボールを自分がバッターボックスに入ることをイメージしつつ、真後ろから見させてもらった。

 ...こ、恐い。こりゃ、当たったら死ぬ。

 でも、きっと彼は7〜8分程度で投げていたはずだ。本気で投げたらどれほどのものなのか、期待させるピッチャーである。

Q:キャプテンは君に対して全幅の信頼を寄せているようだけど、ピッチングの持ち味を教えてもらえますか?
A:とにかく強気で押す、ということです。

Q:試合で使っている球種は?
A:ストレートと、カーブ、スライダーです。

Q:スピードはどのくらい出ているのかな?
A:うちの野球部スピードガンがないんですよ。だから、正確にはわからないです。

Q:そうなんだ。昨日、茅高の佐野くんも同じようなこと言ってたけど、結構高いものなのかな?
A:ええ。安くて3万円くらいはすると思います。

Q:組み合わせ上、順調に行くと、3回戦で光明相模原と当たりますが、初戦に合わせてピークを持ってゆく予定ですか?
A:いや、3回戦にピークを、と思っています。それまでの試合は、ピークじゃなくても、何とか勝つつもりです。

Q:なかなか心強いですね。ところで、茅ヶ崎高校の佐野くんがプロから注目されている、ということだけど、君も将来プロを目指している、ということはありますか?
A:はい。プロになることを最終的な目標としています。

Q:そうですか。それでは、その目標のためにも、1つでも多く勝って下さい。ありがとうございました。

 彼とのインタビューのあと、部長の堀先生に聞いたところ、普段は寡黙な水野くんが「ライバルは茅ヶ崎高校の佐野くん」と、ある取材で答えていたらしい。

 近隣のライバルが切磋琢磨して、最高峰を目指すというのは楽しみである。
 
  
  
上段右)ベンチに入れない1年生たちは必死に応援練習。昨年も見られた伝統の風景だ

インタビューその3:マネージャー
 
 責任マネは2年生の今野静香さん。3年のマネージャーがいないので、新たに入った1年マネ4人への指導もあり、なかなか忙しい。

Q:なぜ野球部のマネージャーになったの?
A:今年卒業された先輩マネージャーの山田継美さんに誘われたのがきっかけです。小さい頃から可愛がってもらっていたので。

Q:中学時代は?
A:美術部でした。
 
Q:そりゃまた畑違いのところへ来ちゃったね。何か苦労はありますか?
A:いえ、仕事自体は全く辛くはないです。遠征の時、忘れ物がないように気を配ることくらいですね。

Q:逆に嬉しいことは?
A:小さなことでも部員の人たちに「ありがとう」って言われると嬉しくなりますね。それで続けられると思います。

Q:今年は監督さんが替わりましたね。部内の雰囲気とかで、変わったところはありますか?
A:新しい監督さんは、優しい口調で、部員たちもいろいろと聞き易くなったようです。西浜OBということもあるでしょうが。

Q:女子マネージャーが試合でベンチ入りする時、スコアをつけるといった実務的なこと以外で、どんな役割がありますか?
A:ミスしたり、打てなかったりした選手を盛り上げたり、道具を磨く時に念を込めたりするところでしょうか。

Q:最後に、部員たちへのメッセージをお願いします。
A:頑張り過ぎないで欲しい、ということがありますね。プレッシャーがある時に頑張ろうとすると、力が入りすぎますから。あと、ケガをせず、悔いを残さないようにしてもらいたいと思います。

Q:ありがとうございました。まずは初戦突破を祈ってますね。念を込めておきます。

インタビューその4:堀達也部長
 
 前任の黒崎先生は部長兼監督であり、彼の去ったあと、野球を指導できる先生は西浜高校には一人もいなくなってしまった。

 この重大な危機に、OBの監督招聘と、社会科教諭である堀先生に部長を引き受けてくれという依頼があったそうな。

Q:失礼ですが、先生は野球のご経験は?
A:いやぁ、それが全くないんですよ。大学時代までずっとバドミントンをやっていましたから。
 
Q:先生が野球部の部長を引き受けられた直接のきっかけは何だったのですか?
A:現3年生を1年生の時から授業で見ている、ということと、たまたま僕が水野の担任で、彼の活躍を見守ろうということで引き受けました。

Q:技術指導できない、ということにハンデは感じますか?
A:ええ。それはもどかしいですよ。しかし、素人が口出しすることは出来ませんからね。

Q:新しい監督さんはいかがですか?
A:練習でも試合でも、ひじょうにソフトですね。怒っているのを見たことがありません。まあ、それが今の高校生の気質に合っているのかもしれませんね。

Q:部員たちに伝えたいことがあればお願いします。
A:彼らは一生懸命、練習にも時間を割いていますから、結果に繋がってもらいたい、ということと、野球で培ったことを生かして野球以外でも活躍してもらいたい、ということですね。

Q:担任をされている水野くんはプロ志向ということですが、先生からはどのように映りますか?
A:まあ、幾分茅高の佐野くんは意識しているようですね。水野にも大学からは誘いが来ていますから、そこで活躍してからでもいいのでは、と思います。

Q:ありがとうございました。

 西浜高校に来年、野球を指導できる先生が来るかどうか、勿論現段階では未定である。これは西浜だけの問題ではなく、公立高校全体の問題として議論されるべきであろうが、そのことについては、また別の機会にお話したい。

 とりあえず、今は、まず彼らが初戦を突破し、さらに強豪相手にどこまで戦えるのかを見守りたいと思う。

▼△▼2005年度 茅ヶ崎地区各高校野球部顧問の先生方への共通質問▼△▼
 
回答者:堀達也部長
 
(1)現チームになってからの戦績を教えて下さい。(練習試合含む)
■春季大会3回戦

(2)現チームの力を以下の4項目で自己評価(5段階)して下さい。
◇投手力: 5 ◇守備力: 3 ◇打撃力: 4 ◇機動力: 4

(3)チームとしての特徴・課題を教えて下さい。
■投:水野をエースとして、他に2人完投能力のある3年生投手がいる。
■打:水野を4番として、前後・下位にも長打力のある打者が揃っている。
■守:この2ケ月で見違えるほど堅実になってきた。


(4)鍵を握る選手がいれば教えて下さい。特にどういった点で期待しているかも、教えて頂ければ幸いです。
■林ゆう太(3年):セーフティバントでチャンスの足掛かりを作れる
■森川実(3年):センターの守備。トップバッターとしても期待できる
■平嶋耕作(3年)・阿部恭士(3年):2番手投手として水野を支える。打力も魅力

(5)選手権予選での目標を教えて下さい。
 ※「ベスト8」など戦績的なことに加えて、チームとして、是非これだけはやり遂げたいとお考えになっていることでも結構です。
■エラーのない試合

(6)「部訓」(またはそれに相当するもの)があれば、教えて下さい。
 ※先生が大切にされている言葉や生徒たちに伝えたいことでも結構です。
■礼儀・元気・覇気

(7)これまで高校野球に携わってきて、最も嬉しかったことは何ですか。
 ※高校野球ゆえの魅力、ということでも結構です。
■とにかく選手が精一杯頑張っていること

(8)他のスポーツにはない、野球の魅力・面白さとは何でしょうか。
■チームの総合的な力が結果として出るところ

(9)練習環境等の整った私立高校に対するライバル意識のようなものはありますか。
■大いにあります。

(10)先生自身が目標とされている野球人がいらっしゃれば、教えて下さい。特に、その人のどこに惹かれますか。プロ・アマ、国籍、有名・無名は問いません。
回答ありませんでした

(11)全国大会はどうしても「甲子園」で行う必要があるとお考えですか。
■あります。

(12)高野連の「連帯責任体質」について何かご意見はありますか。
■当たり前だと思います。

(13)ベンチ入りできない3年生がいる場合に、どんな言葉を掛けますか。
■今年はいません。

(14)勉強との両立で配慮されていることはありますか。
■西浜の選手は授業中も大変よく頑張っていますが、引退後こそ真価が問われると自覚して欲しいと思います。

(15)野球をやっている中学生に対して、何かメッセージをお願いします。
■西浜はこれから伸びるチームです!

寒川高校 ◇西浜高校 ◇鶴嶺高校 ◇北陵高校

◆部員数:42名 ◆マネージャー:3名 ◆監督兼部長:秋山英好先生
◆キャプテン:石川麦穂くん ◆現チームの成績:24勝16敗3分[6月23日現在]
◆これまでの最高成績:ベスト32 ◆昨年の成績:4回戦敗退
◆初戦の日程:7/17(水)湘南学院高校−栗原高校戦の勝者 11:00〜等々力球場

プロ注目のエースを中心に「負けない野球」を
 
 昨年は2年生を中心とした若いチームが『55(ゴーゴー)野球』(管理人命名。相手を5点以内に抑えて、自分たちは5点以上取る)で、4回戦まで進出。そのプロセスには、ホームランあり、サヨナラゲームありで、観ている者の心を揺さぶった。

 実際、2回戦の桜丘高校戦では5−4のサヨナラ勝ちで、見事、目指す野球を実践してくれた。

 今年は、昨夏からのエース・佐野宏明投手が、プロからも注目される中、ひと回り大きくなったチームで夏に臨む。
 
 昨夏は4回戦で第1シードの厚木西高校と当たり、初回に乱れが生じて6点を許して、結局0−8でコールド負け。得点差ほど、力の差はなくても、「流れ」「勢い」で勝負が決する恐さを知った。

 今夏は昨年からのレギュラー6名に加え、全ポジション3年生が先発。経験値の高いチームに仕上がった。近年では最も期待を集めるこのチームはどこまで勝ち進めるだろうか。「部活.ネット」も注目している。

  
  
  
  
最下段は体力づくりに励む1年生部員たち

インタビューその1:キャプテン 「昨夏ノーヒットの汚名返上を」
 
 茅高キャプテンは一塁手の石川麦穂くん。昨年は2年生ながら正捕手として出場。身長184センチ。去年の橋本キャプテンもデカかったけど、君もいいガタイしてるね。

 というか、茅高はベンチ入りメンバー20名のうち、7名が身長180センチ以上であり、鶴嶺や北陵などと比較すると、サイズでかなり優っていると言えよう。
(勿論、サイズで野球をするわけではないけどね)
 
Q:今年のチームの特徴を教えて下さい。
A:去年からのレギュラーが多く(6人)、経験値は高いと思います。外野はメンバーが替わりましたが、内野はほとんど替わらないので守備は堅実です。

Q:君は去年はキャッチャーだったけど、今ファーストになって、何か生かされていることはあるかな?
A:相手の雰囲気を読んで、守備態勢を整えたり、打撃でも配球を考えるようになりました。

Q:去年は3年生の数は少なかったけど、レギュラーを張っていた人たちは長打力もありましたね。今年のチームは、打撃の方はどうですか?
A:冬からずっと振り込んできましたし、レギュラー決めも最終的にはバッティング優先でしたから、打つことにもある程度自信はあります。まぁ、バッティングが課題であることは間違いないですが。

Q:試合中、特に気をつけていることはありますか?
A:守備でリズムを作ることですね。守りのリズムがよければバッティングにもよい影響がありますから。

Q:「甲子園」という言葉を聞いてどんなことを連想するかな?
A:正直言って、去年までは遠い場所だと思っていましたが、神奈川工が決勝まで勝ち進んで、勇気を得たというか...。今は、心の中に少し「甲子園」というものがあります。

Q:では、目標を聞かせて下さい。
A:とにかく過去最高のベスト16を目指そうと。(4回戦で当たると予想される)Y校も、けして負ける相手ではないと思っています。

Q:個人的にこの大会に懸ける想いまようなものはありますか?
A:...実は、去年の大会でボクだけ4試合ノーヒットだったんですよ。今年は何とか、まず1本打ちたいですね。

Q:ありがとうございました。ヒットを打てることを祈ってますね。

 キャプテンに指名されるだけあって、ひじょうに人望も厚いように見えました。まず、初戦が2回戦(湘南学院と栗原の勝者)となるので、守りでのリズムを作って、乗り切って下さい。期待していますね。

インタビューその2:エースは七色の変化球を駆使 「目標はプロ」
 
 3年生佐野宏明くんは昨夏からのエース。細身ながら、地元ベイスターズをはじめ、複数のプロ球団から注目されている。

Q:思い出したくないだろうけど、去年は4回戦まで勝ち上がって、第1シードの厚木西高校との初回、いきなり6失点ということがありました。あの試合から、君の中で何か変わったことはあったかな?
A:無駄な失点、ビッグイニングは絶対に与えてはいけない、ということが身に沁みてわかりましたね。
 
Q:肘を少し痛めたと聞きましたが...。
A:ええ。でも、もうほとんど大丈夫です。

Q:その間は走り込みなどを多めにしたのかな?
A:そうですね。朝、晴れていれば黙々と走るという感じで。グラウンドではインターバルでダッシュ系をやって、球のキレを磨く、ということを多めにやっています。

Q:今、球速はどのくらい出ているのかな?
A:Maxで138キロくらいだと思います。何とか140キロは出したいです。でも、スピードガンがないので、正確にはわかりませんけど。

Q:試合で投げている変化球を教えて下さい。
A:カーブ、スライダー、シュート系のボール、カット、ナックルです。カーブやスライダーは何種類か投げます。

Q:マジ?全部コントロール出来るの?
A:ええ、一応は。

Q:ところで、プロからも注目されている、ということは知っているわけだよね?
A:知ってはいますが、意識はしないようにしてます。簡単にプロに行けるものではないですから。

Q:でも、将来的にはプロに行きたいという希望はあるの?
A:はい。目標はプロですね。

Q:誰か目指しているような投手はいますか?
A:福岡ソフトバンクの斉藤和巳投手ですね。自分とタイプ的に同じというか。

Q:プロを目指せるだけのレベルに到達した要因って何だったんだろうね?
A:自分に対して指導してくれる人の言ったことが、自分に合っていた、というのが大きいと思います。そういうことには、「運」も絡んできますから。

Q:さて、高校最後の夏、目標を教えて下さい。
A:皆、残って練習していきますから、チャンスで打って勝ちたいですね。そして、自分は2点以内に抑えたいです。

Q:調整するのがちょっと難しいブロックに入ったと思われるけど、どこにピークを持って行くつもりですか?
A:初戦ですね。最初、勝たないことには、そのあともないですから。

Q:ピーキングに関しては、去年の経験が活かされるかな?
A:そうですね。慶應(センバツベスト8。春季県大会準優勝。両校が勝ち進めば5回戦で当たる)にも勝つつもりでいますから。

Q:それは頼もしいですね。では、この夏の目標、将来の目標を達成できることを祈ります。ありがとうございました。

 茅ヶ崎の公立高校からプロ誕生となれば、間違いなく一大ニュースである。佐野くんには、ケガに注意して、尚且つ、勝ち進んでもらいたいと思う。

 頑張れ、エース!

インタビューその3:秋山英好監督 「力を出せば負けない」
 
 相変らず気さくな先生である。お会いするのは、去年の夏、4回戦の厚木西との対戦を翌日に控えた特別取材以来なのだが、約1年会っていなかったとは思えない打ち解けぶりである。

 私の個人的な感想なのかもしれないのだが、秋山先生は一般的に想像される「高校野球の監督像」とはかけ離れているイメージである。ちょっと異色の存在というか...
(勿論、いい意味で)
 
 しかし、その飄々たる外的イメージに騙されてはいけない。やはり、野球に対する想いは溢れていて、その熱さを前面に出さず、クールに表現しているものと推察される。

Q:どうですか、今年のチームは?
A:経験値の高い分、去年よりトータルの戦力としては上だと思いますね。課題は、大きいのを打つ選手(去年の橋本くんや広瀬くん)が抜けた、バッティングですね。

Q:昨夏の厚木西戦では、初回に思わぬ失点をしてコールドゲームになってしまいました。そこから彼らが得たものは何だったのでしょうか?
A:「意識」ということですね。実は、春の県大会も川崎北に1−2で負けまして、基本を怠ったり、ミスしたら負けるんだということが、試合をしてゆく中で自覚されたのではないでしょうか。

Q:具体的に言うと、どういったことになりますか?
A:バッティングで言えば、センター返しをして繋いでゆく意識であるとか、フライを上げずに、強いゴロを打つ意識といったことになります。

Q:先生自身の意識が変わったところはありますか?
A:去年は、厚木西が強豪であるという意識が強すぎましたね。僕自身も「あの時タイムを取っていれば」と反省するところもありましたから。今年は、相手は関係ない、ということを生徒たちにも言っています。

Q:というと...?
A:野球は、最後に1点勝っていれば、勝ちですから。去年のチームは粗いところもありましたが、今年は力はありますし、やるべきことはやってきて、細かな戦術をシチュエーションごとに練習もしてきましたので、これでダメなら仕方ないかと。

Q:つまり、自分たちの力を出せば負けない、と。
A:そうですね。つまらない取りこぼしはしない、負けない意識がついてきたと思います。

Q:「負けない」というのは、「勝つ」ということと全く同義ではないと思います。それだけ今年のチームには期待している、ということでしょうか。
A:まあ、脆いところもありますが、力はあると思いますね。

Q:さて、夏の大会の目標ですが、いかがですか?
A:勿論、自分たちの力を出し切ることが大切です。しかし、組み合わせ上、2回戦からの登場で、最も緊張する初戦の相手がかなり力のある湘南学院だと思われますから、エースの佐野も、ここにピークを合わせるつもりです。

Q:やはり、2回戦からの登場は嫌なものですか?
A:そうですね。相手は勝ち上がって、精神的にも肉体的にも温まっているところに、こちらは初戦ですから。とにかく、相手がどうこう、というより、いかに自分たちの力を発揮するかですね。

Q:ありがとうございました。昨年を上回る成績を期待していますね。

 話の中で、何度となく「相手は関係ない。自分たちの力を出せるかどうか」という言葉があった。管理人は、これを自信の表れだと受け止めている。

 初戦を乗り切れば、4回戦でY校(横浜商)、5回戦で慶應との対戦が待ち受ける。強豪・古豪と堂々と戦う彼らの姿を見たいものである。

▼△▼2005年度 茅ヶ崎地区各高校野球部顧問の先生方への共通質問▼△▼
 
回答者:秋山英好監督
 
(1)現チームになってからの戦績を教えて下さい。(練習試合含む)
■24勝16敗3分

(2)現チームの力を以下の4項目で自己評価(5段階)して下さい。
◇投手力: 5 ◇守備力: 4 ◇打撃力: 4 ◇機動力: 4

(3)チームとしての特徴・課題を教えて下さい。
■投手を中心として、失点を抑え、それ以上の得点を取って勝つ。チャンスでの打撃が課題。

(4)鍵を握る選手がいれば教えて下さい。特にどういった点で期待しているかも、教えて頂ければ幸いです。
■佐野:自分の力を出し切って欲しい 石川・黒崎:1本出るとチームのムードが上がる

(5)選手権予選での目標を教えて下さい。
 ※「ベスト8」など戦績的なことに加えて、チームとして、是非これだけはやり遂げたいとお考えになっていることでも結構です。
■自分たちの力を出し切る。

(6)「部訓」(またはそれに相当するもの)があれば、教えて下さい。
 ※先生が大切にされている言葉や生徒たちに伝えたいことでも結構です。
回答ありませんでした

(7)これまで高校野球に携わってきて、最も嬉しかったことは何ですか。
 ※高校野球ゆえの魅力、ということでも結構です。
■2年数ヶ月、とにかく努力して、自分がどれだけ成長できるかを課していて、それにどれくらい結果が出たかが楽しみ。

(8)他のスポーツにはない、野球の魅力・面白さとは何でしょうか。
■努力をしても、時として結果に繋がらないこと。それでも努力することの大切さを知ることができる。

(9)練習環境等の整った私立高校に対するライバル意識のようなものはありますか。
■ない。

(10)先生自身が目標とされている野球人がいらっしゃれば、教えて下さい。特に、その人のどこに惹かれますか。プロ・アマ、国籍、有名・無名は問いません。
■ない。

(11)全国大会はどうしても「甲子園」で行う必要があるとお考えですか。
■甲子園の方がよい。

(12)高野連の「連帯責任体質」について何かご意見はありますか。
■あまりに度が過ぎるのは問題がある。

(13)ベンチ入りできない3年生がいる場合に、どんな言葉を掛けますか。
回答ありませんでした

(14)勉強との両立で配慮されていることはありますか。
■赤点は取るな。最低限度はやりなさい。

(15)野球をやっている中学生に対して、何かメッセージをお願いします。
■高校野球は特別なものなので、是非チャレンジして下さい。

寒川高校 ◇西浜高校 ◇茅ヶ崎高校 ◇北陵高校

◆部員数:36名 ◆マネージャー:3名 ◆監督:小松紀久先生 ◆部長:加藤裕志先生
◆キャプテン:植田岳見くん ◆現チームの成績:24勝25敗3分[6月17日現在]
◆これまでの最高成績:ベスト16 ◆昨年の成績:3回戦敗退
◆初戦の日程:7/13(水)相武台高校 14:30〜秦野球場

サイズのなさを機動力で補う
 
 前日、北陵高校を訪ねた時の雨は上がっていたのであるが、グラウンドの状態が悪く、またしても「野球をしている図」を撮ることは叶わなかった。
(写真左は、体育館の下でネットを張って、トスバッティングをするの図)

 左腕エース・青木くんを擁し、第3シード校として迎えた昨年の夏。ベスト8を狙っていたが、まさかの3回戦敗退。予期せぬ短い夏に終わってしまった鶴嶺野球部。
 
 ...あれから1年。 13年間指揮を執られた菊地原先生が去り、今年から小松先生が監督に。指揮官が替わり、チームもやや小型化。公立高校野球部では、よくあることとはいえ、新生・鶴嶺野球部はこの夏をどう戦うのであろうか。

 キャプテン・監督の話も交え、「このチーム」の「この夏」を見つめたい。

インタビューその1:キャプテン
 
 今年のキャプテンは植田岳見(たけみ)くん。学区外の有馬中学出身なのは2年前のキャプテンである「ケダモノ」池田俊くん(現・中央大学野球部)と同じ。

 鶴嶺を進学先に選んだのは、その池田先輩の影響と「野球だけではない何か」を求めたから、と言う。

Q:早速だけど、このチームを率いるキャプテンとして、どんな想いを持って日々グラウンドに立っているかな?
A:一昨年の池田さんは「プレー」で、去年の里村さんは「声」でチームを引っ張っていましたが、自分は外野手ということもありますので、なるべく全体を視野を広げて見て、控え選手も含めて全員で戦えるよう、気配りするようにしています。

Q:ポジションが外野ということで、ピンチでマウンドに駆け寄ることが出来ませんが、そういったイライラみたいなものはありませんか?
A:新チーム結成の頃は、「どうしてここでタイムを取らないんだ?」とか思ったこともあったのですが、今は内野に任せられるようになりました。

Q:チームの戦い方としては、どういうスタイルになりますか?
A:一発の長打力がないので、ピッチャーを中心に全員で守り、ワンチャンスをモノに出来るよう、バントなども徹底した野球ですね。とにかく、守備・バントをきちんとやりたいです。

Q:監督が、昨年の菊地原先生から、今年は小松先生に替わりました。指導者が替わったことで、何か影響のようなものはありますか?
A:菊地原先生は「徹底して勝負にこだわって」野球をする、というよさがあり、小松先生はいつもグラウンドで練習を見てくれて、いろいろと分析してくれるというよさがあります。今はそのよさをミックスして、鶴嶺高校の野球が出来つつある状態です。

Q:それでは最後に、この夏に懸ける気持ちや目標を聞かせて下さい。
A:相手の強い・弱いといったことに関係なく、今まで自分たちがやってきたことを出せれば勝てる、と考えています。目標は「ベスト16」と、去年の秋の大会では言っていたのですが、それは口だけのことで、今ようやく、一戦一戦力を出し切って、3回戦の平塚学園を見据えて戦おう、という雰囲気になってきました。

Q:ありがとうございました。健闘を祈ります。

 将来も野球からは離れられない、と語ってくれた植田くん。是非、最後の夏を謳歌して下さい。

  

インタビューその2:マネージャー
 
※写真・名前は「ご勘弁を」とのことで掲載致しません。

Q:なぜ野球部のマネージャーになろうと?
A:中学時代は卓球部だったのですが、入学前から「ちゃんと活動している部活で充実した3年間を送ろう」と、野球部のマネージャーになることを決意していました。

Q:実際にマネージャーになってみて、野球の面白さは感じられるようになりましたか?
A:深みのあるスポーツだなぁ、と。戦術の細かなことはわかりませんが、投げるにせよ、打つにせよ、人によってフォームが違う、というだけでも面白さはありますね。あと、この世代(たぶん「高校時代」という意味かと)では一生懸命にやる、ということが少ないように思いますが、野球ではそれが前面に出るので、応援したくなります。

Q:鶴嶺野球部のよいところを教えて下さい。
A:先輩・後輩の規律はありますが、チームの雰囲気はとてもいいですね。意識が高い、というのもいいと思います。

Q:唐突ですが、「甲子園」というのは、あなたにとってどんな場所ですか?
A:.....(しばしの沈黙)。やはり、“全国大会=甲子園”ではないでしょうか。甲子園じゃない場所で全国大会があるなら、選手たちのモチベーションも変わるような気がします。

Q:では最後に、部員たちへのメッセージと、ベンチに入る際、マネージャーがどういう気持ちでいるか、教えて下さい。
A:選手には、悔いの残らないよう、出来ることは出し切ってもらいたいです。私は、選手とはやることは違いますが、選手たちとは一緒に努力してきた仲間ですから、一緒に戦う、という気持ちで頑張ります。

Q:ありがとうございました。

インタビューその3:小松紀久監督
 
 前任の菊地原先生が13年間指揮を執られたあと、新チームから小松先生があとを引き継いだ。

 新たな鶴嶺高校野球部の伝統を築くべく、野球だけでなく、人間としての成長を願う新監督の話を聞かせて頂いた。

Q:小松先生が生徒たちに対して、野球を通じて何を伝えたいか、ということを最初に聞かせて下さい。
 
A:野球の技術は勿論なのですが、礼儀正しくあること、グラウンドを常にきれいにしておくことなど、野球の周囲にあるものを大切にしてもらいたいですね。ですから、掃除やボランティア活動なども重視しています。火曜は朝練を早く切り上げて、外周をきれいにしています。最終的には社会で通用する人間になってもらいたいですから。

Q:現チームの特徴についてお聞かせ下さい。
A:全体的に小柄ですから、バントなどの小技をきちんと使って、ピッチャー中心に失点を最小限に抑えてゆく、という戦法になりますね。

Q:最小限の失点というと、どの程度になりますか?
A:出来れば、3点以内、というところですね。打撃で大きいのはありませんから。とにかく接戦に持ち込んで、安藤・相原の継投で凌ぐ形になれば、と思います。

Q:投手陣の特徴は?
A:安藤は気持ちで向かってゆくタイプですね。相原は本格派です。

Q:初戦の相武台高校戦の入り方はお考えですか?
A:とにかく、失点を食い止めること。バントをしっかりやることですね。今年のチームは、外野は経験値が高いのですが、内野は去年から総入れ替えになっていますから、守りも鍵になりますね。

Q:順調に勝ち進めば、3回戦で甲子園経験もある平塚学園と当たりますが、何か秘策は?
A:ピッチャーがコーナー・低めをついて、いかに緩急をつけられるか、ということに尽きますね。そういったことは、常に練習試合でも注意していますが、本番で出来るかどうかです。

Q:では、最後に選手たちにメッセージをお願いします。
A:(君たちは)一生懸命練習してきた。夏の大会で1つでも多く勝って、一日でも長い夏を過ごそう。

Q:ありがとうございました。

 今年、鶴嶺は3年生12名が全員ベンチ入りする。小松先生は「3年生でも努力しない子は外します」と仰っていたから、きっと懸命な努力を積んできたに違いあるまい。陳腐ではあるが、やるべきことを全てやって、頑張ってもらいたいと願う。
 

▼△▼2005年度 茅ヶ崎地区各高校野球部顧問の先生方への共通質問▼△▼
 
回答者:小松紀久監督
 
(1)現チームになってからの戦績を教えて下さい。(練習試合含む)
■24勝25敗3分

(2)現チームの力を以下の4項目で自己評価(5段階)して下さい。
◇投手力: 4 ◇守備力: 4 ◇打撃力: 3 ◇機動力: 4

(3)チームとしての特徴・課題を教えて下さい。
■投手力を前面に押し出した守りのチームで、機動力を用いて効率よく得点を挙げるチーム。得点力をいかにアップさせるかが課題。

(4)鍵を握る選手がいれば教えて下さい。特にどういった点で期待しているかも、教えて頂ければ幸いです。
■安藤・相原の両投手。二人の継投が必勝パターン。

(5)選手権予選での目標を教えて下さい。
 ※「ベスト8」など戦績的なことに加えて、チームとして、是非これだけはやり遂げたいとお考えになっていることでも結構です。
■ベスト16以上を目指す。打倒平塚学園を果たしたい。

(6)「部訓」(またはそれに相当するもの)があれば、教えて下さい。
 ※先生が大切にされている言葉や生徒たちに伝えたいことでも結構です。
■野球をとったら何も残らない人間ではいけない。一人の人間として立派に成長して欲しい。

(7)これまで高校野球に携わってきて、最も嬉しかったことは何ですか。
 ※高校野球ゆえの魅力、ということでも結構です。
■レギュラーになれない選手

(8)他のスポーツにはない、野球の魅力・面白さとは何でしょうか。
■「気持ち」の持ち方、「精神的」なものの占める割合が高く、力の差があっても、試合で逆転することが可能であること。

(9)練習環境等の整った私立高校に対するライバル意識のようなものはありますか。
■条件の悪い中でも、がんばって、私学を倒したい。

(10)先生自身が目標とされている野球人がいらっしゃれば、教えて下さい。特に、その人のどこに惹かれますか。プロ・アマ、国籍、有名・無名は問いません。
■池田高校 蔦文也 前監督。心の暖かさがある。

(11)全国大会はどうしても「甲子園」で行う必要があるとお考えですか。
■1・2回戦は、他の関西の球場でよい。

(12)高野連の「連帯責任体質」について何かご意見はありますか。
■いろいろと問題はあるが、素行面での歯止めになっていることは確か。

(13)ベンチ入りできない3年生がいる場合に、どんな言葉を掛けますか。
■今までに経験はありません。

(14)勉強との両立で配慮されていることはありますか。
■授業中、集中して、その日の授業で学んだことはその時間内に身につけるよう指導している。毎日30分でも数学と英語だけは家庭学習をするように言い聞かせている。

(15)野球をやっている中学生に対して、何かメッセージをお願いします。
■野球だけでなく、勉強・礼儀・ボランティア活動等、高校生が成長する上で必要なものを身につけるのが鶴嶺の野球部です。
 

鶴北戦(6.18)での鶴嶺・北陵両校野球部の勇姿
 
  
天気が心配されたが、この日は梅雨の晴れ間で何とかゲームができた。写真中は北陵・内田投手。右は鶴嶺・安藤投手。
  
  
  
下段左)鶴嶺・小松監督 中)北陵・松島監督 右)観客も結構いたりする
試合は乱打戦となり、最終スコアは北陵15−8鶴嶺

寒川高校 ◇西浜高校 ◇茅ヶ崎高校 ◇鶴嶺高校

◆部員数:55名 ◆マネージャー:6名 ◆監督:松島勝司先生 ◆部長:小林豊先生
◆キャプテン:小澤直人くん ◆現チームの成績:38勝18敗4分[6月16日現在]
◆これまでの最高成績:ベスト16 ◆昨年の成績:4回戦敗退
◆初戦の日程:7/10(日)新城高校 13:30〜等々力球場

春季大会後、生まれ変わったチーム
 
 一昨年・昨年は梅雨にも関わらず、雨に見舞われたのはそれぞれ1校だったのだが、今年は初手から雨である。

 というわけで、残念ながら、グラウンドでの勇姿は見ることが出来なかったのであるが、取材の2日後に「鶴北戦」(鶴嶺高校との運動部交流戦)があり、そこで実戦を見せてもらい、写真はどうにかカバー出来そうで助かった。
(写真左は自転車置場を利用しての素振り)
 
 北陵野球部は、昨夏、4回戦まで勝ち上がり、一昨年代表の横浜商大高校とクロスゲームの末、惜しくも敗れた(管理人はこの試合の一部始終と終了後のミーティングを見て、相当心を揺さぶられた。ついでに暑さで倒れそうになった)という経緯があり、今年も当然「打倒!強豪私学」に燃えている。

 さて、それでは今年のチームの素顔に触れてみたいと思う。

インタビューその1:キャプテン
 
 今年のキャプテンはセンターの小澤直人くん。小柄ながら、昨年も堅守でレギュラーポジションを掴んでいた。

Q:今年のチームの特徴は、キャプテンから見て、どういうところになりますか?
A:去年は個々に力のある選手が揃っていましたが、今年はまとまり、団結力で勝負するチームだと思います。

Q:何か、そう思わせるきっかけがあったのかな?

A:実は春季大会で、県大会に進めず、結構落ち込んでいた時期もあったのですが、2年生の投手陣が力をつけ、守備を堅実にやって、ビッグイニングさえ与えなければ、やれる、というふうに考えるようになりました。県大会に出場できなかったことで、チームが危機感を持って、5月から生まれ変わったと思います。

Q:なるほど、ケガの功名というやつだね。じゃあ、具体的にどういう野球をやろうとしているのかな?
A:まず、野球を楽しむことですね。そして、打線の繋がりで勝つ。5点以内に抑えて、5 点以上取って勝つ、というのが目指している野球ですね。

Q:君は外野手だけど、キャプテンが外野手というのはやりにくさはないのかな?
A:確かにタイムを取っても、マウンドに行けるわけではないですが、内野は石黒に任せているので、安心感はあります。皆が、少しずつ意識を持ってやってくれれば、大きな問題はないです。

Q:「甲子園」という響きに何をイメージしますか?
A:実は、去年の夏、神奈川県内の30の学校のキャプテンが甲子園に行く、という企画があって、僕も行かせてもらったんですね。やっぱり、その伝統の力、球場の雰囲気は他とは違うと思いました。地鳴りがする感じでした。ここで野球が出来たら素晴らしいだろうなぁ、と。

Q:この夏の目標を教えて下さい。
A:自分たちの野球をして、力を出し切ることですね。まず、初戦突破です。

Q:順調に行けば、4回戦で春の優勝校・日大高校との対戦が予想されますが...。
A:先日、静岡遠征で、日大三島高校や東海大高輪高校などの強豪私学と練習試合をして、快勝したんですね。それで、私立にも名前負けしないという気持ちになれましたから、強い相手であっても、自分たちの力を出すことですね。それに、何となく、桐光学園なんかよりは戦いやすい気がします。

Q:それでは、最後の夏に向けて、部員たちに是非とも伝えたいことを教えて下さい。
A:集中力を切らさずに、ケガをしないようにしよう。試合には100%の力を出せるよう、イメージを持つようにしよう、というところですね。

Q:ありがとうございました。健闘を祈ります。


  
雨天練習場などあるはずもなく、屋根のあるところは全て即席練習場と化す。

インタビューその2:マネージャー
 
 責任マネである3年上久保あゆみさん(写真中)には、既に昨年数回お会いさせてもらっているので、お互い気さくである。写真撮影の時は「可愛く撮って下さいね」などと、リラックスモード。

 2年生の鮫島千明さん(写真左)と原昌子さん(右)はやや緊張気味。

 限られた時間であったため、簡単なインタビューではあったが、彼女らに加え、1年生マネも3名で、計6人。一時はマネージャー0名という枯渇状態であったのが嘘のようだ。
 
Q:なぜまた野球部のマネージャーをやろうと思ったの?辞めたくなったことはない?
原さん :中学時代はソフト部でした。だから、ルールもある程度わかる、というのもありましたね。ボールが硬くて恐い、というのはありますけど、辞めようとか思ったことはありませんよ。
鮫島さん:小さい頃、よく父とプロ野球を見ていて、親しみはありました。中学時代はバレー部だったのですが、高校では選手としてではなく、マネージャーになろうと。で、野球部が募集していて、見学・体験をして、決めました。
上久保さん:確かに夏は暑いですね。でも、選手の方がもっと暑い中、頑張っていますから、全く苦にならないですよ。恐さもありますが、監督さんも気を遣って下さいますし、練習中はヘルメット被ったり、ネットの影に隠れたりして防いでますから、大丈夫です。

Q:「甲子園」と聞いて、何をイメージしますか?
鮫島さん:全国大会はやっぱり甲子園がいいですね。はじめから東京ドームとかでやっていたなら話は違うのかもしれませんが。
原さん:限られた人にしか行けない場所、というイメージがあります。
上久保さん:夢舞台。神聖な場所。ですが、けして立てない場所ではないと思っています。その場所に立とうと思って、皆、頑張っているわけですから。

Q:では、部員たちにメッセージをお願いします。
鮫島さん:3年生は最後の夏ですし、力を出し切って欲しいです。1・2年生は3年生のためにも頑張ってもらいたいです。
原さん:出来るだけの準備、出来るだけのことをして、後悔しないようにして欲しいです。1・2年生でベンチに入れない人も、一緒に戦うわけですから、サポートに頑張ってもらいたいです。
上久保さん:大学で続けられる人はごく僅かですから、3年生はこの夏が最後の真剣勝負ということになります。悔いを残さないよう、というのが願いです。

Q:ありがとうございました。一日でも長い夏になるよう、祈っています。

インタビューその3:期待の1年生
 
 今年の北陵ベンチには1年生が2人登録されている。中でも、臼井大輔くんは背番号6をもらい、ショートのレギュラーポジションを獲得した。

 実は、彼のお父さんが管理人と高校時代の同級生。お父さんのことを知っているだけに、「ん〜、お母さんの方の血を引き継いだのね」などと(失礼!)考えつつ、インタビューさせてもらいました。
 
Q:野球経歴を簡単に教えてもらえますか?
A:小学校2年生からです。小学校3年で硬式のボールに触れました。その後、中2の夏からは学校(二宮中学)の野球部に入って、軟式をやっていました。

Q:よかったら、北陵高校を進学先に選んだ理由を教えて下さい。
A:運動部が盛んだということと、石黒さん(3年・内野リーダー)や原さん(3年・外野手)といった中学の先輩が行っていたことも大きかったです。

Q:さて、核心に触れよう。なぜ1年生でありながら、内野の要とも言えるショートに抜擢されたのだろうね。自分ではどう思うかな?
A:バッティングは大したことがない(打率.250 本人申告)ので、守備を買ってもらったのだと思います。

Q:ショートというポジションは難しさもあると思いますが、やり甲斐のようなものって何だと考えているかな?
A:やはり、内野連携がうまくいった時には「よかった」と充実感がありますね。ゲッツーに絡んだり出来ると、嬉しいです。

Q:では最後に、この夏の目標を聞かせて下さい。
A:日大戦、ノーエラーで、ヒットを打って勝ちたいです。

Q:ありがとうございました。1度目の夏、是非謳歌して下さい。

 寡黙な少年、といったイメージで、「守備のタイムの時とか、先輩野手にバンバン声を掛けたり出来る?」と聞くと、「いやぁ、ちょっと遠慮してるところがあります」と正直に答えてくれた。ちなみに、課題のバッティングだが、取材翌々日の鶴北戦では3安打の活躍で、打でもアピールした。

 順調に行けば、これから3回の夏を経験することになるが、大きく成長してもらいたいと願っている。

 頑張れ!大輔

インタビューその4:松島勝司監督
 
 昨年北陵に赴任された松島先生。初年度は4回戦まで勝ち進み、横浜商大に惜敗。

 「あの時のセーフティスクイズのサインを今も後悔しています。もっと思い切ったサインを出すべきでしたね」という松島監督にこの夏に懸ける想いを尋ねてみた。
 
Q:まず、今年のチームの特徴・課題について教えて下さい。
A:投手陣が2年生中心で若い、ということが挙げられますね。エース格は内田くん(2年左投げ)ですが、彼が春先ちょっと出遅れまして。先日、東海大高輪戦で完投して、ようやく間に合ってきたかな、というところですね。ただ、彼が投げられない時に、麦島くん(2年右投げ)と1年の永島くん(左)が伸びてきましてね。特に、1年の永島くんは練習試合で6回までノーヒットピッチングをして、こっちが驚くほどです。

Q:打撃陣はいかがですか?
A:今年は左打者が多くて。先発メンバーの過半数が左なんですね。

Q:端的に一塁ベースに近い、ということで有利というわけではないですか?
A:それはあるのですが、左投手をぶつけられると弱いところがありまして。試合でも、こちらが左バッター中心だとわかると、初回から左のリリーフを用意されたりしますから。

Q:それで右打者育成が課題だということですね。
A:そうです。ただ、ここのところ、ようやく右も成長してきまして、選手層が広がってきました。これで左右のバランスも考えられるようになりました。

Q:あと、何か気になるところはありますか?
A:機動力ですね。これは新チーム結成以来の課題ですが、思い切りが悪いところがありまして。最近、やっと積極的に走塁できるようになりました。

Q:私が最も気になる点についてお伺いしますね。それは「ベンチ入りメンバー(20人)を決める要素」なのですが、松島先生のお考えを聞かせて下さい。
A:基本的には、学年に関係なくベストメンバーを選びます。試合に出る可能性の高い子は下級生であっても選びますが、同じ力であれば3年生を、ということになりますし、3年生にはゲーム運営も担ってもらいたいと思います。一塁・三塁のベースコーチはレギュラーと同じですし、ベンチを盛り上げる役も必要ですから。ゲームに出ることだけでなく、そういった「勝つための要素」になれる子をベンチに入れますね。

Q:そういったことは練習試合を通じて見抜く、ということでしょうか?
A:そうですね。どの子も、出来るだけゲームに出して、素養を見ます。ただ、メンバー決めをしたあと、6月からはベンチメンバー中心に戦うことになります。

Q:そうやって苦心して選んだメンバーであっても、試合に出してあげられないケースもあるわけですね。
A:そうです。ワンサイドになっても、常にベストの起用をしたいと考えていますね。そうしないと、相手に失礼にもなりますから。だから、実際、去年も3年生で試合に使ってあげられない子もいました。

Q:さて、今年は組み合わせ上、4回戦の日大高校戦が1つのヤマになりますが、どういうプランで大会に臨まれますか?
A:日大とは去年の秋に練習試合の予定があったのですが、雨で流れまして。日大はバッテリーが素晴らしいと思いますが、何よりも初戦の入り方を大切にしようと思います。初戦はゲームで言えば、初回に相当しますから。うまく流れに乗りたいものです。

Q:最後に、選手たちへのメッセージをお願いします。
A:皆、まじめすぎ。練習しすぎるな、と言いたいですね。個人練習をやりたいのもわかるが、疲れた体でやっても身につかないですから。

Q:ありがとうございました。この夏も感動あるゲームをお願いします。

 心理学に長けている松島監督(コーチの佐藤亮太くん・談)。この夏の采配にも注目したいと思います。

コーチが語る「マル秘」ひとくちメモ
 
 嘱託コーチの佐藤亮太くんは、3年前のキャプテン。大会期間中は、スタンドの応援席で大声を出しつつ、踊り狂うことで有名だ。

 その佐藤コーチから授かった、各選手の特徴を記したマル秘メモをここに公開しよう。
(どこが「マル秘」なんだかよくわからない)

 万一、これを読んで対戦相手が対策を練ってくれればシメタものだ。

1 内田 博文 A(円 蔵)

 昨夏も経験した北陵左のエース。左打ち

2 浜口 護 B(松 林)
 守備陣を笑顔で引っ張る北陵の頭脳。左打ち

3 村本 圭 B(松 浪)
 ここ1ケ月でホームランを量産!飛距離抜群の大砲。左打ち

4 草野 謙尚 B(浜須賀)
 全てに於いてミスがないオールラウンダー。左打ち

5 石黒 南十 B(二 宮)
 1年から夏を経験!攻守の柱。左打ち

6 臼井 大輔 @(二 宮)

 度胸満点!好守・巧打の期待のルーキー。左打ち

7 小林 翔太 B(松 林)
 身体能力はチームNo.1。強肩・強打の右打者の要。

8 小澤 直人 B(赤羽根)
 守備範囲の広さは抜群。小技に長打にバラエティ豊富。左打ち

9 渡辺 真澄 B(寒川東)
 強肩・俊足・巧打の北陵のリードオフマン。

10 鈴木 慎也 B(松 浪)
 試合をピシャリと締める、抑えのエース!

11 麦島 翔太 A(鶴が台)
 サイドながら球威はチームNo.1。北陵の右のエース。

12 森本 亮太 B(大清水)
 背番号12だが、打力はチームトップクラス。チャンスに強い!

13 小島 光太 B(寒 川)
 的確な判断が冴えるサードコーチャー!チームの信頼も厚い。

14 赤荻 光 B(赤羽根)
 明るい笑顔と声でチームを元気づけるムードメーカー。

15 桜木谷 優 B(茅ヶ崎第一)
 守備の職人。内野はどこでも守れる。強肩、打撃も○。

16 山口 勇貴 A(海 西)
 北陵の右の大砲!代打の切り札。

17 原 裕 B(二 宮)
 小林と左右の両輪でリフトを守る。背番号17でもレギュラー。左打ち

18 吉澤 嶺 B(浜須賀)
 俊足・強打。グラウンド狭しと暴れまくる。

19 吉田 翔 B(湘 洋)
 強肩・俊足の外野手。外野はどこでも守れる。

20 永島 洋平 @(松 浪)
 1年ながらベンチ入り!背番号20の秘密兵器。左打ち

 とまあ、こうやって書き出してゆくと、甲子園でも優勝しそうな勢いである。それぞれの持ち味を出して、素晴らしいゲームをしてくれることを期待しています。
(それにしても、確かに左バッターが多いっすね)

 佐藤コーチ、ご協力ありがとうございました。

▼△▼2005年度 茅ヶ崎地区各高校野球部顧問の先生方への共通質問▼△▼
 
■回答者:松島勝司監督
(1)現チームになってからの戦績を教えて下さい。(練習試合含む)
■38勝18敗4分

(2)現チームの力を以下の4項目で自己評価(5段階)して下さい。
◇投手力: 4 ◇守備力: 4 ◇打撃力: 5 ◇機動力: 3

(3)チームとしての特徴・課題を教えて下さい。
■ベンチ入りメンバー中、9人が左打ち。先発メンバーも左打者が過半数を占める。バランスを良くするために、右打者の育成が課題である。

(4)鍵を握る選手がいれば教えて下さい。特にどういった点で期待しているかも、教えて頂ければ幸いです。
■個人というより、4人の投手陣、3年鈴木(右)・2年内田(左)・麦島(右)・1年永島(左)。比較的若い構成の投手陣が鍵を握る。

(5)選手権予選での目標を教えて下さい。
 ※「ベスト8」など戦績的なことに加えて、チームとして、是非これだけはやり遂げたいとお考えになっていることでも結構です。
■チームとしては、ベスト16の力をつけることを目標にしています。何よりも初戦が大事と考えています。

(6)「部訓」(またはそれに相当するもの)があれば、教えて下さい。
 ※先生が大切にされている言葉や生徒たちに伝えたいことでも結構です。
■日常の生活を大切にし、「応援していただける野球部」になること。「良い顔で楽しく」。

(7)これまで高校野球に携わってきて、最も嬉しかったことは何ですか。
 ※高校野球ゆえの魅力、ということでも結構です。
■一生懸命な姿

(8)他のスポーツにはない、野球の魅力・面白さとは何でしょうか。
■スポーツのあらゆる要素が含まれている。

(9)練習環境等の整った私立高校に対するライバル意識のようなものはありますか。
■与えられた環境を有効活用し、改善することが大切だと思っています。でも、私学を倒したいですね!

(10)先生自身が目標とされている野球人がいらっしゃれば、教えて下さい。特に、その人のどこに惹かれますか。プロ・アマ、国籍、有名・無名は問いません。
回答ありませんでした。

(11)全国大会はどうしても「甲子園」で行う必要があるとお考えですか。
■可能であれば甲子園で。歴史の重みを感じます。

(12)高野連の「連帯責任体質」について何かご意見はありますか。
■両面あると思います。

(13)ベンチ入りできない3年生がいる場合に、どんな言葉を掛けますか。
未経験、とのことです。

(14)勉強との両立で配慮されていることはありますか。
■週に1日の休みと、練習時間の効率化(時間短縮)

(15)野球をやっている中学生に対して、何かメッセージをお願いします。
■野球を楽しんで、バランスよい成長を。